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み言葉とともに生きる
― 四旬節黙想会講話 ―
2016年02月21日
10:00ミサ後 講話:トーマス神父(イエズス会)
2月21日10時のミサ後、イエズス会のトーマス神父をお招きして四旬節の黙想会が開かれました。講話は、トーマス神父の四旬節の思い出から始まりました。
私は、インド出身です。カトリックのラテン典礼では、四旬節は40日間ですが、私が属するシロマラバル典礼(カトリック)では、四旬節は50日間です。四旬節中は大好物の肉・魚などは食べることはできないし、テレビや映画などの娯楽も禁止されていました。さらに、学校があるにも関わらず、水・金・土・日の週4日は、早起きして教会に行かなければなりませんでした。子どもにとっては、つらく、一番いやな期間でした。しかし、大人になってふり返ってみると、自分がどれだけ“肉”に対する執着があったかということに気付きます。“もの”に対する執着とは、“体”に対する執着です。この執着の中に生きていく人間は、いつの間にか“本来の自分”はこの“体を持った自分”であると誤解してしまいます。C.S.ルイス(「ナルニア国」著者・神学者)は、「あなたは魂を持っているのではありません。あなたが魂なのです。だから、あなたは体を持っているのです」と言っています。私たちは、永遠なる神から命を頂いたのだから永遠なる存在です。この地上から受けた私たちのこの“体”は、この地上で捨てなければなりません。昔の人の言い伝えによると、私たちはもともと神様とともにいた天使だったそうです。それで、生まれたばかりの赤ちゃんはまだ純粋なので、御父が見えるし、御父に語りかけることもできます。赤ちゃんが寝ている時に、笑ったり喋ったりするのは、御父に向かってしているのだと昔の人は言います。
天国が、私たちの本来の国です。私たちの人生は、天国へ向かっている短い旅です。しかし、生きていくうちに日々の暮らしにまみれ、また、いろいろな誘惑にさらされ、私たちは御父が見えなくなり、天国に向かっての旅であることも忘れてしまいます。この地上に対する執着に圧倒され、永遠にここで暮らしたいという気持ちにまでなってしまいます。これはサタンによる欺瞞(ぎまん)であり誘惑なのです。私たちは神様に近づけば近づくほど、誘惑やさまざまな妨げを受けることになります。聖人のように生きたマザーテレサは50年もの間、霊的なすさみで苦しみ、自分が間違った道を選んでしまったのかとも考える時があったそうです。そういう時マザーは、仮に自分が神を裏切ったとしても神は自分を絶対に裏切らないと固く信じることによって、神への信頼に対する誘惑を乗り越えたのです。神に対する揺るぎない信頼こそがマザーを50年間支えたのです。
私たちはこの地上で生きていく中で受ける誘惑を、どのように乗り越えられるのかについて、イエスが自分の「荒れ野での誘惑の体験」(ルカ4・1-13)を通して私たちに教えてくださいます。
第一の誘惑は、ただ単に食べ物に関する誘惑なのではなく、「五感」に関する誘惑です。次に、第二の誘惑は「権力と富に関する誘惑」です。そして第三の誘惑は「第一の掟に関する誘惑、或いは、栄光への誘惑」です。サタンは飢餓、無力感、失望などの経験の中で、神の愛を疑わせ、神から私たちを遠ざからせるように狙います。サタンはいつも言葉巧みに語り続け、私たちをあらゆる雑念でふりまわします。パンに対する誘惑を受けたイエスは後に自分を永遠の命のパンとして人類に与えます。権力と富に対する誘惑を受けたイエスは貧しい生き方を選び、一番弱いものとして人に虐げられました。最後に、イエスは神の子としての使命から逃げるようにそそのかされましたが、サタンを拝んで栄光を受けるよりも、御父に従順であることを望み、十字架上の死を選びました。イエスがこの三つの誘惑を乗り越えたのは、自分の力を通してではなく、み言葉の力によってでした。
私たちもみ言葉(聖書)を読むことが大切です。目で追うだけでなく声を出して読むことによって、み言葉を五感で感じ、体も魂も清めることが出来ます。日常生活に追われ、“病気、貧乏、不和”などの苦しみの中で日々を送っていると、ついつい本来の自分のことや、天国への旅を忘れてしまいがちです。いつもみ言葉を読んで神様と対話すること、つまり祈ることで、私たちは、自分では背負いきれないと思っている十字架を背負うことができ、最後まで旅することができるのです。
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