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揺籃の地(ゆりかご) ~一人の信者の願い~

2024年12月07日

成城教会の揺籃の地は北多摩郡狛江村岩戸1196(現在の狛江市岩戸北1-8-12)です。高円寺教会所属の「喜多見天主堂」プライベートチャペルでした。

小田原急行鉄道(現在の小田急)を創立した利光鶴松氏と長女伊東静江氏により建てられました。利光氏は明治の気骨のある実業家であり、1927年に新宿から小田原を結ぶ私鉄小田急線を開通させ、喜多見駅近くに新居を構え、長女の家族に移住を勧めます。麻布教会に所属していた静江氏は、信仰を支える祈りの場(特にルルドの聖母にささげる聖堂)が近くにほしいと願い「教会を建ててくれるなら」と条件を出します。小田急本社の設計者渡辺仁氏の助力を得た聖堂設計図の青写真を大司教館に申請しました(当時のシャンボン東京大司教は大変喜ばれて許可したそうです)。配偶者亮一氏の友人であり、留学先から帰国していた長谷川路可画伯に相談や依頼をしました。壁画として日本初のフレスコ画『聖母子像』が完成します。路可氏は後の渡航時に、フランスからルルドの聖母像、イタリアから15世紀鋳造の鐘を持ち帰りました。

1928年7月、大司教や狛江村長も参列し盛大に献堂式が行われ、主日にはヘルマン・ホフマン師が通ってミサをあげるようになり鐘楼が設営されます。信者数が増え、洗礼等に際し東京教区の正式な小教区として認められたいという希望が多くなると1931年、静江氏は聖堂を献納。東京教区カトリック喜多見教会となりました(初代主任司祭 戸田帯刀師)。1938年司祭館新設、1940年ルルドの洞窟増補、1948年にベルナデッタ像が寄贈されました。その後、喜多見教会は、成城教会が分離独立した25年後の1978年、当時の借地事情により、狛江市岩戸北の歴史ある聖堂を閉鎖し、礼拝会喜多見修道院の旧聖堂に移転しました。その35年後の2013年、その修道院旧聖堂の老朽化による閉鎖にともない、成城教会に統合されて、現在に至っています。

遡って原点を見つめると、教会を建てた一人の信者の熱い思いがありました。静江氏はカトリック精神による熱心な教育者であり、1929年「大和学園女学校」を創立し、革新を遂げた一貫教育機関に生涯を捧げました(後継者の次女千鶴子氏により校称は「大和学園聖セシリア」へ変更)。

路可氏のフレスコ画は、ニカワで寒冷紗をはり、壁から画をはぎとり大司教館に保管されていましたが、喜多見教会創立(礼拝会来日)60年祭を機に弟子の手によってよみがえりました。その後、「大和学園聖セシリア」にて保存に至り講堂に展示されています。*見学可(事前連絡要)

 

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