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喜多見教会と統合して10年 -ひとつになる-
2023年06月03日
2013年7月28日、司式に東京教区事務局長の高木賢一神父を迎えて「Welcome」記念ミサが執り行われ、当教会は喜多見教会と統合し、ひとつになりました。今年は、その10周年にあたります。
統合に向けて中心の役割を担われた徳島巌さん(当時の喜多見教会信徒代表)と、鎭目稔さん(当時の成城教会運営委員長)に、その当時の背景やエピソードについて語り合ってもらいました。
一番印象に残っていること
徳島/実は、その2年前に起きた東日本大震災が出発点でした。大地震が契機となり、大手建設会社が喜多見教会の建物を診断した結果、「倒壊の危険性がある」と判定しました。私たちが「補修でどうだ、こうだ」と言っても仕方がありませんでした。そもそも土地、建物は礼拝会から借りていたもの。さらにその契約は礼拝会と東京教区とで結んでいました。小教区は直接の契約当事者ではありませんでしたから、礼拝会と東京教区とで協議がスタートしました。その後、いろいろな思いがある中、ミサの共同祈願で祈り続けながら、一緒になりました。
一時点というより、それまでの流れそのものが記憶に残っています。綺麗ごとかもしれませんが、皆が一緒になって歩めたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
信徒代表として留意したこと
徳島/喜多見教会は以前から委員長という名称をやめて、信徒代表と呼んでいました。これは交代、交代で信徒代表を務めながら、皆で協力していこうという仕組みでした。小教区の解散決定という事態を受けて、できるだけ幅広く皆の意見を聞きながら統合の準備を進めました。2012年に毎月拡大運営委員会を開き、統合問題を集中的に話し合いました。臨時信徒総会は4回開催しました。第3回では、全員の思いなどを言い合う場となりました。それまでの議論等を踏まえ要望書をまとめて東京教区に提出しました。その回答と説明を受け、故安次嶺師(当時の喜多見教会主任司祭)、運営委員や信徒の考え方などを整理確認しながら、成城教会にも伝えてもらいました。そして、秋から成城教会と話し合いを始めました。
福島神父(当時の成城教会主任司祭)と話したこと
徳島/福島神父からミサの時に一緒になるための祈りをしてはどうかと提案があり、『喜多見教会・成城教会のための祈り』を作り、それぞれの教会が毎週のミサでその祈りを唱えるようになりました。ミサ以外でも一緒になるための祈りを重ねました。
鎭目/福島神父が繰り返し繰り返し言っていたことは、「Welcome」でした。迎える側の主担当は、神父と運営委員長、運営副委員長(2人)の三役でした。話しをするたび、前提にしていたのが「Welcome」という形でした。とにかく一緒になる時に「Welcome」で迎えること。これだけは絶対外さないようにしようと確認していました。そして2013年の信徒総会の際、「統合に際しては、『Welcome』精神と分かち合いの心を以て歩み寄りつつ協力してやっていきたい」という旨を提案し、拍手で承認を受けました。つまり、教会として意思表示をはっきりさせました。それが「Welcome」記念ミサとして体現されました。
統合への課題
鎭目/当時の人数規模でいうと成城教会2000人、喜多見教会500人、合わせて2500人。東京教区の中でもかなり大きい教会になります。ところが、聖堂自体は小さくて、クリスマスだと無理やり300人超を詰め込みますが、実質的には百数十人規模です。ミサを3回やってどうにか回っている感じでした。今の収容数で本当に大丈夫なのか。建て増しは困難でしたから、どうしたらいいのかという思いがありました。また、地区会という新たな制度が始まって1、2年くらい経った頃でしたから、各地区の中に喜多見の信徒をどう受け入れていくのかも話し合いました。迎える側としては、主役は喜多見の方だという意識がありました。とても大変だし心配も多いだろうから、その不安を少しでもやわらげるように心がけました。統合が、いよいよ翌月という時、喜多見の信徒の間で、聖堂が一杯で自分たちが入れないのではないかという懸念が出たそうです。福島神父は「もし席が足りないのだったら、席を詰めて座ればいい」「不安な気持ちにならないように、とにかく快く受け入れるという姿勢を高めてほしい。『後に来る者が先になり、先に来る者が後になる』という聖書のことば通り、後から来る人たちを大切にしないと、信仰や救いを見失うことになってしまう」と呼びかけました。「共同体がより豊かになる恵みの機会として、信仰の面でも良い形で一緒になることが必要だ」と何度も強調していました。それを教会全体が支持しました。
その後、山本神父 (1985年~1992年、喜多見教会主任司祭) が当教会の主任司祭となり、統合が円滑に進んだのだと思います。今では、もう両者の区別はなく、溶け込んでいますね。
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