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教会に集う子どもたちの「分かち合い」
育成部会 古屋真弓
2010年11月03日
ミサ司式: 福島 一基 神父
晴天に恵まれた11月3日(文化の日)、成城教会で活動をする教会学校、ボーイスカウトそしてガールスカウトによる今年の「分かち合い」プログラムが行われました。これは、普段ほとんど交流の機会のない3つの団体の子どもたちが何かを一緒にすることで交流を図る、という目的で企画されているものです。
今年のプログラムのテーマは「ぶどうの木」。「キリストはぶどうの木であり、私たちはその木につながる枝です。いつか豊かな実を結ぶためにこうしてつながっているのであり、そのつながりを1人ひとりが感じましょう」という思いに添うべく、具体的には3団体の垣根を越えて編成された班やグループごとに、食事作り、ミサの準備などの共同作業を行い、ミサを捧げ、食事を共にし、そして最後は楽しく遊ぶ、というのが今年のプログラムの内容です。
食事班は信徒会館でロールサンド作りに真剣に取り組みました。ちょっと手の込んだスープシチューとフルーツゼリーはガールスカウトのお母様方のご協力に全面的にお任せです。一方、ミサ奉仕班は典礼奉仕の全てをほぼ初体験の子どもたちが担当し、動きや意味の説明を受けながら聖堂で練習しました。共同祈願はシスター宮脇にご指導いただき、世界や日本のため、また教区とこの日集まった仲間のために4つの祈りをみんなで一緒に考えました。ミサ中の聖歌は僅か1ヵ月前に結成した小中高生音楽班のギターとバイオリンによる伴奏です。雰囲気のある会場作りはボーイスカウトの中学生が担当しました。こうして準備された「子どもたちの、子どもたちによる、子どもたちの、ためのミサ」には総勢96名が共に与りました。
今回のプログラムの中で象徴的な存在感を示していたのは、縦170㎝×横180㎝の布地に描かれたイエス・キリストの絵です。聖タデオの御像の前に掲げられたこの大きなキリストの絵に参加者全員の名前の寄せ書きがミサで奉納され重ねられると、うっすらと透けて見えるそのキリストの御姿は、普段私たちが気付かない時にいつも支え、そして共にいて下さるイエス・キリストの存在を改めて感じさせるものでした。スカウトの奏でるアコースティックギターは、いつもと一味違う「マラナタ」を聖堂内に深く響かせていました。「どうしてお祈りするの?」というスカウトの質問に教会学校の女の子が一生懸命自分の言葉で答えている、そんな微笑ましいコミュニケーションも生まれていたようです。
5時間に及ぶプログラムを終え、参加した56人の子どもたちの中に、枠を超えた横のつながりが芽生えたことは大きな一歩であり喜びです。陽の光を受けて床に映るステンドグラスの美しさに気付いたり、ミサの裏方を知ることで前よりもミサを身近に感じられるようになった子どもたち。参加者一人ひとりの中に生まれた小さな変化はこの「分かち合い」によって神様から頂いたプレゼントだと思います。
ボーイスカウト、ガールスカウトの持つ団結力と機動力の素晴らしさ、そして音楽班をまとめ典礼奉仕を指導された教会学校の力、それらの役割分担が融合し1つになれた体験は、神父様の親しみやすいお話と共に皆の記憶に残り、日々の生活に実っていくようきっと神様は導いて下さると信じ、感謝したいと思います。
圧巻のキリスト画
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分かち合いのミサ
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