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主のご降誕
森司教がミサを司式
2009年12月25日
10:00 森 一弘 司教(主司式)/ 福島 一基 神父(共同司式)
森司教様をお迎えした主の降誕ミサは「新しい歌を主にうたえ」ではじまりました。イザヤの預言の第一朗読、ヘブライ人への手紙の第二朗読、ヨハネによる福音の朗読に続く司教様のお説教の導入は、その日の朝、NHKのニュースにあったニューヨークでの道行く人々へのインタビューという意外なものでした。このことがイエス様の誕生とどのように結びつくのか、お話の展開への期待に胸が膨らみました。
インタビューで、ニューヨークの人々があげた今年1年の印象の第1位は「困難」でした。そして、司教様は、今私たちが直面しているのは「困難」よりももっと辛い、聖書では「暗闇」と表現されている状況ではないかと続けられました。
温暖化が進み、地球そのものが息絶え絶えな状態で、そこに暮らす人々もまた非常に辛い状態にあり、内戦などによって国を追われ大勢の人々が難民となるが、毎年100万人もの人が自ら命を絶つという現実は、これらの人々が地球から追われている、いわば地球難民といえるような状況にあるとお話されました。このような世界をごらんになった神様はどうされたか、神様が、このような私たちの現実に希望をお与えになろうと究極の決断をされた、それがイエス様の誕生であると司教様がおっしゃったとき、聞こえてはきませんでしたが、どなたも「ああっ、そうだったのか」とうなずかれたような気がしました。
さらに、神様は私たち一人ひとりの現実を変える、ご利益のような奇跡は行われない、私たちに希望を与え、互いに信頼し愛し合うような奇跡を行われた、と続けられました。そして、人間の弱さとともに歩んで下さる神様の愛を信じ、自分の弱さに目をそらさず直視するときにキリストとの出会いがあり、このことを意識できるというは幸せであり、このことこそが信仰である、今日、キリストの誕生の意味をこのように考えよう、と結ばれました。
ミサの後は、12月とは思えない暖かな日差しが降り注ぐ中庭で、クッキーやコーヒーをいただきながら歓談が続きました。
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