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【本日の祈願日の説明】 「被造物を大切にする世界祈願日」(9月第1日曜日)と「すべてのいのちを守るための月間」(9月1日から10月4日まで)について
2021年09月04日
フランシスコ教皇は今から6年前の2015年、「ラウダート・シ-ともに暮らす家を大切に」という大切な文書を発表して、「人類が共に暮らす家である地球を大切にしよう」と、自然保護、環境保護の緊急性を全世界に向かって呼びかけ、9月1日を「被造物を大切にする世界祈願日」と定めました。それ以来、日本のカトリック教会では、9月1日を9月の最初の日曜日に移して毎年実践しています。
それにしても教皇はなぜ、この被造物を大切にする祈願日を9月1日に定めたのでしょうか。それは、東方の正教会が、東ローマ帝国の昔にまでさかのぼる長い伝統を受け継いで、1年の始まりを9月にしてきたことと、この世界が創造されてから何年という「世界創造紀元」を用いていたことからきています。この世界創造紀元は、イエス・キリストがお生まれになってから何年という、西方のカトリック教会を通して世界に広まったキリスト紀元に、5508年を足したものです。ちなみに、今年は世界創造紀元7529年ということになります。
そういうわけで、正教会では昔から教会暦1年の初日である9月1日が世界創造の記念日となっていました。そして、その正教会のリーダーシップのもとで、9月1日を「神が創造されたもの(被造物)を大切にする祈願日」とする運動が、実は30年以上も前から始まっていたのです。それを6年前にフランシスコ教皇が、ラウダート・シの発表を機会に全カトリック教会に導入し、被造物を大切にする祈願日は今や、世界に広がる多くのキリスト者が参加するものになろうとしています。
さらに、この被造物を大切にしようという正教会から始まった運動は、9月1日の被造物を大切にする祈願日だけでなく、その日から、自然をこよなく愛した聖人アシジのフランシスコの記念日である10月4日までの5週間を「被造物のための期間」とすることを提案し、カトリック教会にも受け入れられてきています。日本のカトリック教会では、一昨年のフランシスコ教皇来日に励まされ、昨年からこの「被造物のための期間」を「すべてのいのちを守るための月間」として実行することになりました。
世界では今、新型コロナウイルスの感染拡大阻止のため、まさに「すべてのいのちを守るため」に、すべての人が闘っています。この「すべてのいのちを守るための月間」中、まず一人一人が感染拡大防止のための努力を継続するとともに、社会活動が制限されるなか、経済的にも精神的にも困窮している人々への支援を行っていくことができますように(日本カトリック司教協議会会長・高見大司教「すべてのいのちを守るための月間」2020年メッセージ参照)。
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