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アレルヤ-復活の喜びの叫び
2019年04月01日
山本 量太郎 (カトリック成城教会 主任司祭)
カトリック教会は四旬節の間、「アレルヤ」を、いっさい控えます。正確には、実に46日間、アレルヤなしで過ごしますから、四旬節が明けて、復活徹夜祭でアレルヤ唱を久しぶりに歌う時、それは喜びの爆発のようになります。その復活徹夜祭のアレルヤ唱がひときわ素晴らしく感じられるのは、その歌詞が詩編118からできているからだと、わたしは思っています。
最後の晩さんの後、「一同は賛美の歌を歌ってから、オリーブ山へ出かけた」とマルコ14・26にありますが、それが過越の食事であったとすれば、イエスと弟子たちが声をそろえて歌った賛美の歌は、必ず詩編118で結ばれたことでしょう。詩編118が、イエスが弟子たちとともに声を出して歌った最後の歌と言われる所以です。
イエスはその最後の歌にどのような思いを込めて歌ったのでしょうか。詩編118は「恵み深い神に感謝せよ」で始まります。イエスは、迫り来る受難を前にして、そう歌ったのです。そして、「死ぬことなく生き長らえて、主の御業を語り伝えよう」と続け、さらに、「家を立てる者の退けた石が隅の親石となった」と歌い、「あなたはわたしの神、わたしはあなたに感謝をささげる」と結んだのです。
一般に思われているように、「わたしの神、わたしの神、なぜわたしをお見捨てになるのか」で始まる詩編22ではなく、捕まる直前に歌ったこの詩編118こそが、ゴルゴタの丘をのぼる間も、いや、十字架につけられた後でさえも、イエスの心の中で何回も繰り返されたにちがいない、とわたしは密かに思い続けています。そうであるならば、イエスは今わが身に起こっていることを通して、「家を立てる者の退けた石が隅の親石」となること、さらには十字架の死さえ超えて「生き長らえ、主の御業を語り伝える」ことの確信をいっそう深めたことでありましょう。
そのイエスの神への全幅の信頼は裏切られませんでした。復活徹夜祭のアレルヤ唱は、まさにそのことをわたしたちに伝えるものです。今まさに復活されたキリストがわたしたちの真ん中に立ち、わたしたちとともにアレルヤ唱を歌っておられます。「わたしは死なずわたしは生きる。神のわざを告げるために」と。
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