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大船渡から帰ってきて
2018年08月01日
山本 量太郎 (カトリック成城教会 主任司祭)
岩手県の大船渡教会に先月、行ってきました。そして、帰ってきてから毎日、大船渡のことを思い出しています。一泊二日の短い旅だったにもかかわらず、わたしの心の中で生じた変化は小さくありません。その中の一つとして、しきりに「日本列島」という言葉が浮かんでくるようになりました。それまでだったら、「わたしは日本に住んでいる」と何も考えずに言っていたところを、「わたしは日本列島に住んでいる」と言いたくなっているのです(もちろん、いちいち言いませんが)。
大船渡教会に行く前の日、有名な碁石海岸の展望台から広大な太平洋を眺めていたとき、なぜか4つのプレートの上に乗っかって、もてあそばれているかのような日本列島の脆弱な存立基盤のことが頭を去来し、そのはかなさゆえに日本列島が無性に愛おしく思えたことでした。その成り立ちからして地震や津波を避けることができない日本列島に、わたしたちは住んでいます。しかも、日本経済が高度に成長した結果として、そうした「天災」の被害が更に大きくなってしまっていることは否定できません。これまで、「大震災」という呼称が正式に定められたのは三つだけ、関東大震災(1923年)、阪神淡路大震災(1995年)、そして東日本大震災(2011年)ですが、いずれも「人災」の要素が大きくなければ、けっして「大震災」と呼ばれることはなかったはずです。日本経済発展の中心的役割を担い、またその繁栄を享受している東京という大都会に身を置いている者こそ、日本列島に住んでいる者としての自覚を常にもっていなければならないと思いました。
その翌日、大船渡教会のミサで、「アマナミン」というタガログ語の主の祈りを共に歌いました。カトリック中央協議会から25年前に出された「国籍を越えた神の国をめざして」という指針が、ここでは既にかなり実践に移されているという、強い印象を受けました。結婚して日本に住んでいるフィリピンの方々とその子どもたちが同じ大船渡教会の一員であることは当然のようですし、ベトナムから研修生として来ている若者たちも数人、ごく自然にミサに参加していました。それはそのまま、成城教会にとっての課題として感じました。
そもそも弥生時代や縄文時代までさかのぼれば、わたしたちは皆、日本列島に渡ってきた人たちの子孫なのですから、日本人と外国人という国籍のレベルではなく、同じ日本列島にいる信者として共にある教会でありたい、と素朴に思っています。
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