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寄せ鐘とカンパヌラ
2018年01月01日
山本 量太郎 (カトリック成城教会 主任司祭)
前回に続いて今回も「教会の鐘」の話です。
「寄せ鐘」という言葉を皆さんはお聞きになったことがあるでしょうか。「よせがね」と読み、長崎の教会では普通に使われていますが、全国のカトリック教会共通の言葉ではないかもしれません。ミサが始まる少し前に鳴らされる教会の鐘のことです。
パソコンで「寄せ鐘」を検索すると、真っ先に、長崎県のカトリック大曽おおそ教会のホームページがヒットします。そこには、「大正5年に建てられた大曽教会、八角形の鐘楼からは、毎日早朝6時と正午、夕暮れの6時にアンジェラス(お告げ)の鐘の音が響きます。ミサを知らせる鐘は『寄せ鐘』といい、子どもたちは『ほらほら、鐘の鳴りよるぞ』と急かされながら教会への坂道を足早に上ります」とありました。
「お告げの鐘」が朝・昼・晩のお告げの祈りの時を告げて、「時鐘」の役も果たしているのに対し、「寄せ鐘」はもうすぐミサが始まるという予告の鐘です。教会によって5分前だったり、10分前だったりします。成城教会でも昨秋から、日曜10時ミサの鐘をこの「寄せ鐘」に切り替え、10分前に鳴らすようにしました。
それは、鐘楼の鐘が聖堂外に向けて、近隣に向けて鳴らされるのに対して、聖堂入り口などに設けられたカンパヌラ(小鐘)が聖堂内の人たちへの合図として鳴らされる、という伝統に沿ったものです。これまでは略式で小さな鈴を鳴らしてきましたが、先月、旧喜多見教会の鐘楼の鐘が聖堂入り口に成城教会のカンパヌラとして設置されましたので、これからは、ミサ開始の合図として用いていくことになります。
ここで成城教会の鐘についてどうしても触れておきたいと思います。何といっても晴朗で清らかに澄んだ鐘の音が素晴らしいからですが、それと同時に、50年以上前(1965年)に設置されたのにもかかわらず、メンテナンスがとてもよくなされていると感じているからでもあります。現在、日曜日の10時ミサ前に「寄せ鐘」として鳴らしています。あとは葬儀ミサの出棺の時など日中に限って鳴らし、朝晩の時間帯は近隣の方々のことを考えて控えています。
でも、成城教会のホームページを開けば、成城教会の大小2鐘の奏でる美しく荘厳なハーモニーを映像付きでいつでも鑑賞することができます。ぜひお楽しみください。
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