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子どものころの四旬節
2017年03月01日
山本 量太郎 (カトリック成城教会 主任司祭)
子どものころ、3 月7 日がわたしの霊名のお祝い日でした。霊名はトマス・アクィナス、もちろん変わっていません。お祝い日のほうがある年、突然1 月28 日に変わったのです。今にして思えば、それは第2 バチカン公会議が終わって何年かたったころのことだったのでしょう。教会の中のいろいろなことが次から次へと、がらがらと変わっていました。ラテン語で行われていたミサが日本語になり、司祭がこちらを向いてミサを司式するようになり、ベールをかぶらないシスターが増え、云々。そういった中で、幾人かの聖人の祝日の変更など、むしろ地味な部類だったのでしょうが、該当者にとっては、びっくりだったにちがいありません。
けれども、わたしはあまり驚きませんでした。それは物心付いて以来、霊名のお祝い自体ほとんどしてもらった記憶がなかったからだと思います。3 月7 日はほぼ毎年、四旬節中でした。それで聖トマス・アクィナスの祝日がやってくると、「でも、四旬節中だからね」ということになり、結局お祝いはなかったのです。要するに、聖人の記念より四旬節のほうが大切ということをたたきこまれていたわけです。
子ども心に四旬節はとても長く感じられました。クリスマス前の待降節のほうが少し短かったし、途中でサンタクロースに手紙を書いたりする楽しみもあったし、何よりクリスマスプレゼントが待ち遠しかったのです。四旬節にはそれほどの喜びが正直伴っていませんでした。何しろ我が家では「四旬節はおやつなし」などというルールが実行された年もあったのです。
そんなわたしにとって、聖トマス・アクィナスの祝日が四旬節の外に移されたことは、四旬節を見直す一つのきっかけとなりました。確かに四旬節中は聖人の祝日が少なくなっており、典礼暦には空白が目立ちますが、その空白をさびしいという気持ちではなく、精いっぱいイエス・キリストを直接大切にしようという招きとして受け取れればと思っています。
蛇足ながら、聖トマス・アクィナスの祝日は、ただ四旬節の外に追いやられたのではありません。「毎日のミサ」の説明によると、1369 年のこの日に、聖人の遺体がトゥールーズに移されたことに基づいている、とのことです(もちろん、帰天は3 月7 日)。
〔付記〕
第2 バチカン公会議後、四旬節の外に移された聖人の祝日として、聖グレゴリオ1世教皇教会博士(3 月12 日から9 月3 日へ)、聖ベネディクト修道院長(3 月21 日から7 月11 日へ)、聖ガブリエル大天使(3 月24 日から9 月29 日へ)、また、待降節の外に移された聖人の祝日として、聖マタイ使徒福音記者(12 月21 日から9 月21 日へ)があげられます。
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