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「主よ、平和をわたしたちに」
2023年06月03日
山本量太郎 （カトリック成城教会主任司祭）
ミサでは必ず平和のために祈ります。司祭は主の祈りの後、「世界に平和をお与えください」、「教会に平和と一致をお与えください」と祈り、「互いに平和のあいさつを交わしましょう」と呼びかけます。そして皆は、「主よ、平和をわたしたちに」とキリストに願います。平和のために祈らないミサはないのです。
しかし、世界の平和はなかなか実現しません。だから私たちは1月1日の「世界平和の日」から、一年を通して、毎日、平和のために祈ります。
沖縄慰霊の日(6月23日)
日本のカトリック教会は、一年の中でも、８月6日(広島原爆投下の日)から15日(終戦記念日)までの10日間を特に「平和旬間」と定め、最も密度濃く平和のために祈り、行動するよう努めています。
今年もその平和旬間が近づいてきたことを、6月23日「沖縄慰霊の日」から意識し始めたいものです。第二次世界大戦末期、あの悲惨な沖縄戦が終結した6月23日、特に、沖縄の人々の思いに心を向けることが大切ではないでしょうか。
戸田神父の命日(8月18日)
平和旬間が終わって３日後の８月18日は、戸田帯刀(とだ・たてわき)神父の命日です。今から78年も前に起こった戸田帯刀神父暗殺事件を覚えている人は少ないでしょう。第二次世界大戦終結直後の1945年8月18日、当時の横浜教区長、戸田神父(47歳)が保土ケ谷教会の司祭館で何者かによって射殺されるという悲劇が起こりました。それまで、戦争中にもかかわらず世界平和を理想として反戦的な発言をたびたび行い、軍部から危険人物として睨まれていたこともあり、元憲兵による犯行と推測されています。その死はまさに平和のための殉教にほかなりませんでした。
その戸田神父は、喜多見に聖堂が建立された3年後の1931年、東京教区の正式な小教区となったルルドの聖マリア喜多見教会の初代主任司祭として着任し、その基礎をつくった方です。喜多見教会からの流れを受け継ぐ成城教会が、戸田神父の平和への思いを受け継ぐ教会でありますように。
ミサ・講座 MASS / SEMINARS
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