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四旬節について
2009年03月01日
高木 賢一 (カトリック町田教会主任司祭)
灰の水曜日から復活の主日までの期間が何日間か、ご存じでしょうか?「四旬節」という名称から、40日間と考えるかもしれませんが、それは間違いです。実は、四旬節には、四旬節第一主日から始まって聖週間の始まりである枝の主日まで、6回の主日がありますから、40日に6日を加え、46日間ということになります。試しに、一度、カレンダーと向き合って、計算してみてください。
ところで、この四旬節という期間ですが、古代教会においては、復活徹夜祭に洗礼を受けるための準備をしてきた洗礼志願者が、締め括りとして臨む期間であったと言います。四旬節の主日で朗読される第一朗読の箇所が、四旬節の主日の回数が進むにつれて、旧約聖書の最初の方から神の救いの業の頂点であるキリストの十字架の出来事に向けて、新約聖書の方へと移動して行くように選ばれているのは、神が、歴史を通して、絶えず、人類に働きかけてきたことを思い起こすためだそうです。
と同時に、四旬節中に行われる「四旬節・愛の献金」という名目の献金も、「共に苦しむ」・「共に喜ぶ」といった具体的な信仰の実践の一環として、関わりの中で、初めて生かされる私たち本来の在り方を、身をもって味わうという目的で行われていたということです。後代、ヨーロッパにおいて、洗礼が幼時洗礼だけになった時に、この四旬節の主旨が、ただただ、人間の負の部分にしか目が向けられず、節制や償いといった内向きな側面だけに力点が置かれるようになってしまったように思われ、残念と言わざるを得ません。
しかし、私たちキリスト教とかなり近しい「血縁関係」にあるイスラームのラマダーンを見ていると、キリスト教が、本来、行っていた四旬節の精神は、このようなものであったのだろうと思われてならないのです。西側のマスコミは、この「ラマダーン」という言葉を「断食月」と訳し、ラマダーン1ヵ月の食物消費量が、普段の倍近くにもなるために、何のための断食なのかといった論調で、この行事を伝える傾向にありますし、ともすると嘲笑の対象になったりもしているようです。しかし、それはラマダーンの1つの側面しか見ようとしないからなのだと思います。
「王様から乞食まで」を合言葉に、また、日の出から日没まで、ムスリムは水一滴すら口にしてはならないという厳しい規制の下に、日中、確かに、断食を行いますが、日没後に、軒先で繰り広げられる宴は、必要に応じて通りすがりの人たちにも振る舞われるのだそうです。まさに、「共に苦しむ」・「共に喜ぶ」という実践、及び、そこから来る達成感を通し、関わりの中で、初めて生かされる私たち本来の在り方を身をもって味わうという訳です。
私たちカトリック教会も、すぐに、それに倣うべきだとは言いませんが、このような精神から、四旬節を見直すためのヒントが多々あることは事実でしょう。
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