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コロナ禍にあって寡黙の人ヨセフを思う
2020年12月11日
山本量太郎 (カトリック成城教会主任司祭)
コロナ禍が長引く中、迎えるクリスマスとなりました。カトリックの幼稚園では今年、クリスマス会はできたでしょうか。もしできたとしても、聖劇までは無理だったかもしれません。聖劇とはご存じイエスさまご誕生の物語です。本当はイエスさまが主役なのでしょうが、まだ生まれたばかりの赤ちゃんなので、実際にはマリアさまが主役となり、そうすると、ヨセフさまも準主役ということになり、ヨセフさまがしゃべる台詞も結構あるのです。
2千年前のその夜のヨセフさまが無言だったとは言いませんが、少なくとも聖書には、聖劇に出てくるようなヨセフさまの言葉は一言も記されていません。それどころか、福音書全体を調べてみても、聖ヨセフの言葉は一つも載っていないのです。
聖ヨセフは福音書に何回も登場し、重要な役割を果たしているのに、そこには彼の言った言葉が一つも残されていません。いずれの場面でも、沈黙を守っています。まさに「寡黙の人ヨセフ」です。彼は思いもよらぬことに次々と巻き込まれていきますが、それを神からの働きかけとして受けとめていくのです。身籠もった婚約者おとめマリアを受けとめ、その結果としてまさに多難な人生を生き抜くことになります。彼は単に寡黙の人であっただけでなく、むしろ決断の人であり、それ以上に実行の人でありました。
成城教会の聖堂の入り口の片隅にプレゼピオ(うまごや)が今年も設置されています。そこにはもちろん、飼い葉桶に眠る幼子イエスと母マリアの傍らにヨセフがいます。マタイの福音書によれば、ヨセフは間もなく、妻と幼子とを連れて、エジプトまでの辛い旅に出かけなければなりませんでした。受けとめ、決断し、実行していく聖ヨセフの寡黙な姿がそこにあります。幼子イエスの誕生を受けとめたヨセフは、ナザレに居を定めた後、聖家族の一員として、黙々とその生涯を全うしたにちがいありません。
コロナ禍はいつまで続くのでしょうか。先が見えません。でも、聖ヨセフのように困難な状況を受けとめ、そして乗り切ることができますように、聖ヨセフの取り次ぎを願いたいと思います。
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